オゾン発生器を選定する場合、各メーカーの表示として、mg/hやg/hといったオゾン発生量の表示が多く、何をもとに選定すればいいのか良く分からない場合が多くなっています。そのため、目的(脱臭・殺菌)や濃度によって、計算する必要があります。
< 気相の場合 >
質量濃度と容量濃度およびオゾン発生量
オゾンの場合には、質量濃度(mg/m3)と容量濃度(ppm)との間には、標準状態(0℃1気圧)において次の関係が成立します。
( )ppm = ( )mg/m3 × [(室温)℃ + 273] / 273 × 1モルの容積(22.4) / オゾンの分子量(48)
条件として、[ 273=絶対温度 オゾンの分子量=48 モルの容積=22.4L(0℃、1気圧) 室温を20℃ ] とした場合
(ppm)=1×(20+273)/273×22.4/48=0.5ppm
これは、1m3の容積に1mgのオゾンを入れると、0.5ppmの濃度になるということです。
《オゾン発生量の算出》
( )mg/h=( 2 )mg/m3×(空間容積)m3 (室温20℃、1ppmの時)
これは、1m3の(空間容積)部屋を1ppmにしたい場合、2mg/hのオゾン発生器を1時間運転すると言う事になります。
ただし、オゾンの半減や反応による分解、換気の状況などは、考慮されていません。
オゾンを利用して脱臭を行う場合は、目的とする空間の体積により算出します。
オゾン濃度1ppmは、1m3空間に約2mgのオゾン量が存在するときの濃度です。
下記の表は、1ppmにおける必要オゾン発生量を表にしたものです。(1時間あたり)
m3=m2×m(高さ)
目的空間(m3) |
オゾン発生量(mg/h) |
目的空間(m3) |
オゾン発生量(g/h) |
5 |
10 |
500 |
1 |
10 |
20 |
1000 |
2 |
25 |
50 |
2500 |
5 |
50 |
100 |
5000 |
10 |
250 |
500 |
15000 |
30 |
(上記数値は、オゾンの自己分解・反応による分解等は考慮されておりません)
< 液相(オゾン水)の場合 >
オゾン水濃度
オゾン水濃度は、通常(mg/L)で表します。(mg/L=ppm)
これは、水1リットル(1000g)中に、他の液体が何mgあるかを示します。
1000gの水の中に、1/1000gの他の液体を含むときの濃度が、1mg/Lです。
つまり、1mg/L=1ppmです。
オゾンの溶解
オゾン水を作る場合は、水の中にオゾンガスを注入することにより、オゾン水となります。
基本的に1Lの水の中に、1g/m3のオゾンガスを注入し、100%溶解したとするとオゾン水濃度は1mg/Lとなります。(1g/m3=1mg/L)
オゾンの溶解は、ヘンリーの法則が関係し、温度と圧力がオゾン水生成に影響を及ぼします。
温度が高いと溶解効率は低下し、圧力が高いと溶解効率は高くなります。
(ヘンリーの法則:一定の温度で一定量の液体に溶解する気体の量はその気体の圧力に比例する)
処理水量における注入量の算出
オゾン水を生成する場合は、水量に比例したガス量または、オゾンガス濃度を注入します。
前項で、1L中に1g/m3のオゾンガスを注入した場合、1ppmになるとのべました。
では、10Lの水の場合には、10g/m3のオゾンガスを注入すると、1ppmになります。
また、10Lの水に、100g/m3のオゾンガス